お姉ちゃんの憂鬱
でかい図体でコソコソ入ってきたところで、もう存在はみんなにばれてるわけで。
「ちょっとどけてよ。」
なぜかあたしの右隣のメガネで頭良さそうな雰囲気を醸し出してるくせにそんなに頭がよくないお調子者岡部くんを椅子から引きずり降ろし、そこに座ったのもみんなにばればれだ。
なんでそんなにやりきった感満載の顔でグーサインを出しているのか、あたしには理解しかねる。
「まったく…ごめんね、岡部君。仕方ないからイス半分こしよう。」
そういって椅子の右半分を空ける。
誠が来てしまったのはあたしの責任らしいからな。
「さすがみんなのお姉ちゃん。」
そう言っていそいそと空いた右半分に座ろうとする岡部君。
しかし座る前にまたミカン頭の手によって岡部君はイスに座ることを許されなかった。
岡部君になんの恨みがあるんだミカン頭よ。