お姉ちゃんの憂鬱
見返りがないと手伝わないなんてことはないけど、今のさぁちゃんにはこう言っておかないともっと凹みそうだ。
「あたしのこと嫌いになってない?」
「こんなことで好き嫌い言う訳ないでしょ。なに、さぁちゃんにはあたしがこれっぽっちのことで人のこと嫌いになるような人間に見えてるわけ?」
「あ、いや、そういうんじゃないけど…」
「なら、気にしないの。こんなことで人間嫌いになってたら、あたしの周りに誰もいなくなっちゃうじゃん」
「…うん。そうだよね。ごめんね、うだうだ言って」
「気にしてないよ。ほら、さっさと片付けてご飯の準備しなきゃなんでしょ?」
そう言うと、にっこり笑顔になってくれたのでほっとする。
やっぱり、可愛い子は困り顔より笑顔の方が可愛い。