お姉ちゃんの憂鬱

「あたし友だちのこと部屋に入れたの、かなが初めてかもしれない」


「マジで?今までの友だちは来たことなかったの?」


「こんな状態見せられないと思って、なんやかんや理由つけて断わってた」


「彼氏とかは?」


「…友だち以上に見せられないでしょ」


「それもそうか。じゃああたしがこの部屋の友だち一号ってことね!」




作業の手は止めずに口だけがいつまでもまわり続ける。

女子高生なんてそんなもんだ。



さぁちゃんは意外と真面目だから、やると言ったからにはおしゃべりしながらでもちゃんとサボらずやる子だ。




「あ、そういえばさ、こないだの放課後、あたしになんか用事だった?」


「この間って?」


「直くんが居残りで、まどかとメグとファミレス行った時」



さぁちゃんはあたしだけに声をかけたのに、結果的にみんなで遊ぶことになってしまった。

あの時のさぁちゃんの何か言いたそうな顔が気になっていたのだ。





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