お姉ちゃんの憂鬱

「さぁちゃんはすごいよ。だって歩みろうとしてるもの。あたしなんて、いやなことからは逃げたいし、見たくないものには目をつぶりたいし、やりたくないことはできる限り避けるし、嫌いなものには関わりたくないもん。あたしなんかに比べたらさぁちゃんは偉いよ。立派。すばらしい」



「……なんかあんまり褒められてる気がしないんだけど」


「えー、でも事実そうだし?つーことで、今はさぁちゃんのことをどうでもいいとか言っちゃう見る目ない人たちからは目をそらして、あたしたちと遊んでよ。きっと本当にさぁちゃんの人生に必要な人たちなら、時が来ればまた話せるようになるよ」


「…そうだね。うん。ありがと、かな」



まだ目の端に涙が残っていけれど、にっこり笑うことができたさぁちゃんにあたしも笑みを返した。





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