お姉ちゃんの憂鬱
その後、散々からかわれて帰宅。
ものすごく疲れた。帰ると、なぜかあたしの部屋のベットに枕を抱きしめて爆睡している誠がいた。
待っているにしても、自分の家で待っていたらいいのに。
どうせお向かいさんなんだから、帰ってきたのを確認してから来たってたいして時間のロスはない。
しかしまぁ寝ているのは好都合だ。
だって起きたら構って構ってとうるさい。
じっと誠の寝顔を眺める。
小さい頃はよく遥香も入れて三人一緒に昼寝をしたりしたもんだ。
あのころの誠の寝顔はまさに天使だったのに、なんでこんなに大きくなってしまったんだ。
天使の面影もないじゃないか。
手も体も骨ばっていて、触り心地は悪くなっている。
でも、今の誠は触ってると安心する。
不思議なものだ。
黒髪に戻った頭を撫でる。
ブリーチしてしまった髪は簡単にはサラサラに戻らないけど、もうこの髪にも触り慣れた。
すやすや眠る誠を見ていたら、自分もだんだん眠たくなってきた。
ベットをつかわれてしまっているが、ここはあたしのベットだ。
あたしが寝たってなんの問題もないだろうということで、少しスペースが空いていた壁側に潜り込む。
誠は一回寝たらちょっとやそっとじゃ起きないから、少しくらい揺れたって何の問題もない。