お姉ちゃんの憂鬱

起きたら真っ暗。
一瞬自分の状況が分からなくなった。



そうだ、帰ってきたら誠が寝てて、そのまま一緒に寝てしまったんだ。


今何時だ?



「あ、かなちゃん起きた?」


「まこと、起きてたの?今何時?」


「うん。ついさっき目が覚めた。かなちゃんが抱き付いてくるからまだ夢見てんのかと思った。夕方6時だよ」



…たしかに抱き付いてますねすみません。


だって体温って安心する温度じゃん?
ひと肌ってぬくぬくじゃん?

そりゃあ抱き付きたくもなるだろうよ無意識だ許せ。




「6時か、よく寝たな。てか、なんであんた人のベットで寝てたわけ?」


「かなちゃん帰ってきたら構ってもらおうと思ってたんだけど、気付いたら寝てたみたい。かなちゃんのにおいって安心するから眠くなっちゃうんだよ」


「…においとか言わないでよ。なんか臭いみたいじゃん」


「違う違う。安心するんだって。かなちゃんもそういうのない?」



においか。
誠のにおいは嫌いじゃない。

でも女の子のにおいがついてる時は嫌い。


香水の匂いはメグのなら大丈夫。

きつすぎるのは嫌い。

誠のシャンプーのにおいは好き。





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