お姉ちゃんの憂鬱
その日以降、誠が今まで以上に甘ったるくなったため、人前ではやめなさいと教育的指導を行ったところ、人前での過剰な接触はなくなった。
ちなみに、忠犬度も上がったため、前よりずっとお利口さんになった。
その分餌を求められるけど、それもまあ許容範囲内なので問題はない。
「誠、今日の夜肉じゃがだけど食べる?」
「食べる!そのまま泊まっていい?金曜日だし!」
「いいよ。着替えはこないだ泊まった時の洗濯しておいたからいらない」
「わかった!じゃ、家に連絡しとくね!」
「……なんかとてつもなく甘ったるいな」
「メグ君、これが所謂リア充というやつですね。爆発しろと言うのが正解ですか?」
「もういっそ末永くお幸せにでいいんじゃない?」
「かーちゃん!結婚式でスピーチしてやるよ!背中を押したのはあたしですってな!」
「山さん、スピーチは僕に任せてください。人生には三つの紙袋がありますの話をしたいです」
「いやそれ紙袋じゃなくね?」
「なぜに紙袋に限定した」
「ああ、間違えました。堪忍袋と胃袋と紙袋の話です」
「だからそこに紙袋ランクインしてこないから!」
「確かにふと必要になる時もあるけどな。いいサイズの紙袋が見つかったの時のうれしさ半端ねえ」
「吉岡くん紙袋で掘り下げなくていいから!」
「あれ?紙袋じゃなくて何袋が正解だっけ?」
「……もう紙袋しか思いつかない」
「じゃあもう紙袋でいいじゃないですか。」
「……かなちゃん、今日も日本は平和だね」
「…そうですね」