お姉ちゃんの憂鬱

その日以降、誠が今まで以上に甘ったるくなったため、人前ではやめなさいと教育的指導を行ったところ、人前での過剰な接触はなくなった。


ちなみに、忠犬度も上がったため、前よりずっとお利口さんになった。

その分餌を求められるけど、それもまあ許容範囲内なので問題はない。





「誠、今日の夜肉じゃがだけど食べる?」


「食べる!そのまま泊まっていい?金曜日だし!」


「いいよ。着替えはこないだ泊まった時の洗濯しておいたからいらない」


「わかった!じゃ、家に連絡しとくね!」


「……なんかとてつもなく甘ったるいな」


「メグ君、これが所謂リア充というやつですね。爆発しろと言うのが正解ですか?」


「もういっそ末永くお幸せにでいいんじゃない?」


「かーちゃん!結婚式でスピーチしてやるよ!背中を押したのはあたしですってな!」


「山さん、スピーチは僕に任せてください。人生には三つの紙袋がありますの話をしたいです」


「いやそれ紙袋じゃなくね?」


「なぜに紙袋に限定した」


「ああ、間違えました。堪忍袋と胃袋と紙袋の話です」


「だからそこに紙袋ランクインしてこないから!」


「確かにふと必要になる時もあるけどな。いいサイズの紙袋が見つかったの時のうれしさ半端ねえ」


「吉岡くん紙袋で掘り下げなくていいから!」


「あれ?紙袋じゃなくて何袋が正解だっけ?」


「……もう紙袋しか思いつかない」


「じゃあもう紙袋でいいじゃないですか。」






「……かなちゃん、今日も日本は平和だね」

「…そうですね」







< 211 / 335 >

この作品をシェア

pagetop