お姉ちゃんの憂鬱


「なんで?」

「なんでもです。」


「…直江な、それでこいつらが納得するわけないだろ。つまりあれだろ?近づくなって言われてんだから近づかないってことだろ?被害大きくなるかもだしな」



なおくんの「なんでも」発言を補足する担任になるほどと納得。

あたしたちが近づくと直くんにさらに危害が加わる可能性があるのか。


…でもそれで犯人の思惑通りに素直に離れるのは癪だなぁ。




「いえ、違います。」

「え、違うの?」


納得したのに。



「違います。先生も言ったように、この人たちは今暴走した精神状態にあるのかもしれません。そんな状態で、もし僕がまたみんなに近づいたら、今度はみんなに何か危害を加えるかもしれません。そしたら僕は犯人を許せません。なので近づかないようにするんです」






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