お姉ちゃんの憂鬱

すっかり忘れていたメガネが話をもっていった。

折角友情物語が展開されていたのに。




「お前らそれぞれ、犯人に心当たりは?」


「ないです」

「なーい」

「ないな」

「ないね」



「あと、今朝みててそれらしい反応した奴もいないんだろ?」

「それは全員一致でいなかったです」


「じゃ、たぶんだけどこれは外部の奴の仕業だな。ロッカーは廊下にあるし、鍵もかけていなかった。直江の出席番号なんて調べようと思えば簡単にわかる。さらに、クラスメイトじゃないと思われる有力な理由がある」



「…なんですか?そんなことまでわかったんですか?」


「あぁ。クラスメイトは……お前らの残念さを十分に理解している!確かにお前らの見てくれはそれなりに良い。世間的に見れば吉岡、山城が上の上、本村が上の中、三船は…中の上?でもお姉ちゃんという特典がある。が、その中身の残念さは最近顕著にクラスで露呈している。つまり、以前まではお前らに幻想を抱いていたかもしれないクラスメイト達も、中身の残念さからここまで熱狂的なファンにはならないだろう。だからこれは外部のクラス、または違う学年の生徒の犯行だ!」


声高らかに言い切ったメガネをとりあえずみんなで冷たい目で見つめておいた。






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