お姉ちゃんの憂鬱
「かな、なに思い詰めたような顔してんの?」
「え、いや、人間関係とは複雑なものだなあと。」
「何だそれ。」
「だって、あたし、本当に興味ない人とは必要最低限しか話しないし、関わらないからさ。」
「そんなもん当たり前だろ。なに、香奈子は出会った人間全てと仲良しになるつもりなわけ?」
「いやーそういうことではないんだけど…」
「かーちゃんは意外と気にしいだからなー。大丈夫だよ。あたしなんか、興味ない人間は視界に入れないから。必要最低限話しするかーちゃんのほうがえらい。」
「お姉ちゃんは興味をもってくれたらとことん優しいから大丈夫です。それに、みんなに仲良くしようとしたら、疲れちゃいますよ。だから、大丈夫です。」
なにが大丈夫なのかは分からないけど、みんなが大丈夫だといってくれるのならば、きっと大丈夫なんだろう。
「うん。ありがとう。」
「ふは なにが?」
「…何でもいいでしょ!とりあえずありがとう!」
「何それ?かな、照れてんの?」
「照れてない!」
「顔が赤いですよお姉ちゃん。」
「うるさい!何でもいいから感謝されとけばいいでしょ!」
「強引だなおい。よくわかんねーけど、どういたしましてで合ってる?」
「合ってる!」
ややこしい人間関係はまだよくわからないけど、とにかくあたしはこのみんなと仲よく楽しくできればそれでいいや。