お姉ちゃんの憂鬱

「今回は今までよりすこし範囲広いが、まぁがんばれや。」


そんなことを言う胡散くさメガネ先生にはロケットパンチをくらわしたい。

まぁがんばれやでがんばれたらなんの苦労もないのだ。



この担任である胡散くさメガネ先生が担当している教科は数学である。

そしてあたしのもっとも苦手とする科目も数学である。


ベクトルを日常生活で使ったことはないし、微積を使ったこともない。

日常で使う計算なんて、四則計算と小数分数がほとんどではないか。最近は会計の時にいかに500円玉をつくるか必死に計算してるわ。



「勉強しよう…」


「うわ、かーちゃんの真面目発言がでました!」


「いやこれは真面目とかじゃなくてですね、ガチでやばいんすよ。あたしこういうのちゃんと勉強して対策しないと本気で簡単にやばい点数取るからね。」


「直江には負けるだろ。」


「…どうだろう。今まで必死にやって隠してるけど、本質は直くんと変わらないかもしれない。」


「マジか。」


「マジだ…え、メグさ一緒に勉強しない?数学とか生物とか教えてくれない?」


「別にいいけど、授業料高いぞ。」


「マジか…」


「いや嘘だけど。なに、そんなに今回やばい感じなの?」


「苦手な単元盛りだくさんでございます。」


「まぁ教えるくらいなんともないけど。いつやるよ?」


「今日から!ぜひとも今日からお願いしたいです!」


「香奈子の頼みなら聞いてやるよ。」


「やったぁ!メグ優しい!ありがたい!」





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