お姉ちゃんの憂鬱

その後、教科書の内容についていくつか質問をすると、お前らは本当に授業を聞いているのかと呆れられてしまった。


ノートをみるとちゃんと質問の答えに当たる部分が書かれていたりするのだが、ただ黒板を写しているだけで頭に入っていないのは仕方がないだろう。

あたしの脳みそでは書くので精一杯ですよ。




「先生、今回のテストで赤点取ったらすんません。」


「三船、お前ノートはちゃんと書いてんだから、あとは理解しながら進めば大丈夫だろ。今回は範囲は広いが、だからこそ深く込み入った問題は出さないつもりだ。だからそんなに心配すんな。」


「僕は今回も華麗に赤点は回避してみせますよ。」


「直江はちゃんとノートをお姉ちゃんに写させてもらうところから始めなさい。」



直くんノートは謎の落書きが多かった。

先生の顔だったり謎の生命体だったり花だったり動物だったり。またそれがうまいんだよな。

授業を真面目に聞いているというのはあたしの目の錯覚だったらしい。




「先生、また質問に来ても良しですか?」

「あ?あたりまえだろ。何のためにセンセイしてっと思ってんだ。むしろ授業で分かんねーとこあったら終わった時点で真っ先に聞きにこい。そのほうが後々楽だぞ。」


「あざす。じゃあ遠慮なく聞きに来ますんで、よろしくお願いします。」




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