お姉ちゃんの憂鬱
山城さんが見えたことでぱっとあたしの腕を放したミカン頭が、あたしの横から口を出した。
そういえばこれがミカン頭と山城さんの初絡みだな。
「お前、あぁペットか。」
ペット!
「あっははは!!ペットだって!ペット!」
「…かなちゃん笑いすぎだから。」
「え、ペットじゃないの?ホームルームにいたやつだよな?」
「そーそー、常識知らずのおバカさんなんです。」
あなたのことがお気に入りらしいですよ。
「へー。あ、そーだ。お母さんさ、修学旅行の班あたしと一緒にしない?あんたとなら楽しい気がするんだよねー。」
へ?何言ってるんだこの人は。
「だめ?他の人ともう組んじゃった?」
「あー、いや、まだ何とも話してなかったけど…」
「じゃあいい?あたしと一緒の班やだ?」