お姉ちゃんの憂鬱
「まどかー、笑い過ぎだぞー。」
「まっ、だって、直江…」
「やっぱり直江くんが犯人ね。」
「そんなまさか、誤解です。」
「被害者の証言とれてんだよ。」
「そんな、そんな…そんなー。」
「激しく棒読みだよ直くん。ほら、まどか、そろそろ笑いやまないとお母さんがきょとんだぞ。」
「あ、……」
まどかもその存在を忘れていたのか、お母さんの姿を視界にいれたとたんに、気まずそうに笑顔をしまい込んだ。
「あ、あー…うん。さぁ、みんな帰りたまえ。」
「唐突だなおい。」
「うん、まぁいろいろあんだよ。」
チラチラとまどか母を見たりあたしを見たり玄関を見たり。早く連れていけと言うことか。
「みんな、今日は長いことお邪魔したし、もう帰ろう?ここで騒いでも迷惑だろうし。」
「まぁ、そうだな。帰るか。」
「悪いね。じゃ、また明日。」
まどかの手で玄関が閉められ、唐突にまどかの家での勉強会は終わりを迎えた。