お姉ちゃんの憂鬱
「…かな、何か知ってるの?」
帰り道が一緒のさぁちゃんにそんなことを聞かれた。
「何が?」
「何って…まどかとお母さんについてだよ。」
さぁちゃんと、おそらくメグもあの親子の違和感に何かしら感じるところがあったんだろう。
直くんもきっと何か感じ取ったはず。
「再婚だってまどか言ってたけど、それにしてもぎこちなさ過ぎじゃない?」
「そうだね…。でも、あたしも再婚だってことくらいしか知らないよ。前のお母さんとのギャップがあって戸惑ってるっては言ってたけど…」
「そっか…なんか、学校であんな感じだから、今日すごいびっくりした。お母さんに対してあんな顔するなんて。」
「でも最初の頃は今日みたいな感じだったよ。」
「あー…確かに。あたしもあんな顔に睨まれたんだった…」
初めのころのまどかを思い出したのか、苦笑いのさぁちゃん。二人はよくぶつかってたからな。
でも、今のまどかはあたしたちの前であんな顔しない。
つまりは人間関係がうまく成立したってことなんだろうな。
「まどかとお母さんも、変われるといいんだけどな…」
さぁちゃんとまどかの関係が変わったように、きっと変われるんだと思う。
ただ、そのためには歩み寄らなければいけない。
でも今日見たまどかは、お母さんを全力で拒絶しているように見えた。
「どうにかなんないもんかねー…。」