お姉ちゃんの憂鬱
「まどかー、飲み物なんかいる?」
「あー、あたしも一緒行く。」
直くんがよーでるよーでると某妖怪時計体操の完コピを披露する中、ドリンクバーに向かったあたしとまどか。
あの勉強会以降、学校でのまどかは特に今までと変わりなくおかしな様子は見られなかった。
おかしな様子がないためこちらから尋ねることもできず、なんともモヤモヤしていたのだ。
しかし今日、そんなまどかに変化が現れた。
朝登校してきたまどかが明らかに不機嫌だったのだ。
いつも飄々としているまどかは、そんなに不機嫌を表に出すことはない。
まぁ、さぁちゃんに対してふざけて突っかかって行くことはあるけど、それも本当に不機嫌なときはしない。
「…まどかさ、今日なんかあった?」
「ん?何が?」
「朝学校来た時、なんか不機嫌じゃなかった?」
「あぁー…妖怪のせいなのね。」
「お母さんともめた?」
「……妖怪のせいだって。」
「はぐらかさないの。そんな妖怪いてたまるか。」
「はぐらかされてるて分かってんなら、素直にはぐらかされてよ。」
「なんか変だったから気になったの。」
「気になったとしても、話さないよ。」
「なんでさ。」
「話したくないから。」
「…別に何でも話してなんてウザったいこと言うつもりはないけど、話したくないなら表に出さないようにしてよね。気になっちゃうから。」
「それは仕方なくない?何、あんたは話したくないことならなんでも上手く隠すことができるわけ?」
「隠す努力はするよ。」
「…努力した結果があれだったんだけど、なんか文句ある?」
「文句というか、あんな態度に出されたら気になったとしても仕方ないでしょ。それを気にすんなって言われてもあたしには無理だわ。」
「なんだそれ。ただのお節介だね。…ウザいよ、そういうの。」