お姉ちゃんの憂鬱


「本名は三船香奈子。関心はあったからね。無関心だなんてそんなひどい人ではありませんから、誤解のないようにお願いします」



ほら、なんの曲聴いてんのかなーとか、飴ちゃんだけで昼ごはん足りるのかなーとか!


「ふーん…香奈子かー…じゃあ、かこ?いやでもそれはないだろ普通すぎだ。うーん…っあ!!」



一人でぶつぶつなんか言ってると思ったら急に眼が輝きだした。

…絶対に余計なこと思いついた顔でしょこれ。




「じゃあ、かーちゃんにしよう!」


…やっぱりな。



「いや。却下。」

「もー、わがまま言うなよかーちゃん。」


「そんなの嫌にきまってるでしょ?!なにかーちゃんって!」

「じゃあ、かーちゃん、かーさん、かーくん、どれがいい?」


「意味的に最初二つは結局お母さんじゃん。3つめに至ってはローラースケートはいてるじゃん絶対。元祖ローラースケートアイドルじゃんそれ。」


「じゃあやっぱかーちゃんだな。香奈子のかをとってかーちゃんだから、いやって言っても呼ぶからな。あと、さっきからペットが恨めしそうに見てくるんだけどかーちゃん。」



あたしの後ろを指さしてそんなことをいった山城さん。

かーちゃん決定なのか。残念すぎるだろそんなあだ名。



「べ、別に恨めしそうな顔なんてしてませんよ!」



そうだよな。

するとしたらなんであたしばっか山城さんと話してんだ俺にも話させろといった感じだろう。


つまりあたし宛の視線であって、断じて山城さん宛ではない。



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