お姉ちゃんの憂鬱

そのあともいろいろ聞かれることに答えたり、逆にあたしから質問したりとかなりの時間を話し込んでしまった。


思っていた以上にまどかママはおしゃべり好きだった。



というかいつもまどかともっとおしゃべりしたいのにスルーされるから会話に飢えているらしい。

車に乗り込み、家まで送ってもらってしまった。




そして最後に、「まどかさんともこんな風にお話できるように頑張りますね!」と意気込んで去って行ったまどかママ。

まどかとはタイプが正反対で、どちらかというとさぁちゃんタイプなまどかママ。



でもさぁちゃんとうまいことやってるまどかだから、きっとママさんとも距離の取り方を覚えればうまくやっていけるんじゃないだろうか。



そんなことを考えながら自宅に入ると、遥香と誠に突進された。



「かなちゃん!どこのどいつに何されたの?!無事?!けがは?!」


「なぜだ。」


「なぜだじゃないから。姉ちゃんどこで何してたのさ。とっくに部活終わってるはずなのに帰ってこないし連絡しても反応ないし。心配したんだけど。」




おっと、そういうことか。

確かにママさんと話し込んでいて携帯なんかまったく確認してなかったわ。



悪いことをしたなあと思って誠と遥香の頭をなでなでしていると、リビングからまさえが登場した。



「かなこ、買い物は行ったの?」


「んぁ?あぁ、はい。遅くなってごめん。」


「ありがと。あんまり心配かけないでね。」


「ん、ごめん。連絡はしとくべきだったね。」


「無事ならいいけど。あ、なんか悪いことしてきたんじゃないでしょうね。」


「失敬な。お話し好きなママさんと話し込んでただけよ。」


「そう。その二人がいろんな人に連絡しまくってあんたのこと捜索してたから、その人たちにも謝っておくのね。」




……まじか。





< 295 / 335 >

この作品をシェア

pagetop