お姉ちゃんの憂鬱
そして自室に移動し鳴りやまない着信に応答する。
「遅い。馬鹿かーちゃん。」
「うぅぅ…ごめん。」
「出てくれないかと思った。」
「…ごめん。」
「ごめん。」
「ん?」
「…あたしの方がごめん。昨日。すっごい嫌な奴だった。」
「え、いや、昨日のあれはあたしが煽ったからああなっただけで、まどかは別に…」
「でも、あたしの態度が悪かった。だから、ごめん。」
怒られる気満々で電話にでると、聞こええてくるのはまどかのションボリした声。
これはもしや、ママさんはあたしの話はしないでいてくれたってことですか!そうですか!
「でも、だからってうちの母親と話す必要はなかったよね?」
ですよね!
うん、そうだと思ってた!
つまり、おこですね!
「そ、そそそれはね、偶然の出会いだったわけよ。そしてなんか流れでそうなっただけでね、あたしがこう、自発的に突撃したわけではないのですよ!ホントに!いや、まじで!」
「…ふはっ どんだけ必死だよかーちゃん。」
「え、だってまどか、怒って…」
「怒ってはないよ。ただ、なんでだよって思って。」
「怒ってないの?」
「怒ってないよ」
よかったぁー…!昨日の今日じゃ絶対におこだと思ってたよ!
「というか、昨日のあたしの態度が原因でしょ?それに、気にする宣言もされてたし。」
「あー…まぁ、うん。…お節介でごめん。」
「いいよ。それだけあたしのこと心配してくれてるんだって、ちゃんとわかってるから。昨日はちょっと意地になって思いっきり反発しちゃったけど。」