お姉ちゃんの憂鬱
「まどかさ、なんでお弁当断ったの?」
ここで結構どうでもいい質問をひとつ。どうでもいいけど気になってたんだよ。
前に朝弁当作る暇ないから買い弁してるって言ってけど、ママさん作ってくれるんじゃん。
「……それもあの人が言ったの?」
「それ以外にないでしょうが。」
「一昨日だってお弁当作ってもらったんでしょ?それが原因で機嫌悪かったのかなーと思ったんだけど。」
「…その通りです。」
「なんでお弁当一つで機嫌悪くするのよ。あんたは腫物注意の反抗期ですか。キレやすい若者ですか。」
「いや、だってさ、……。」
「…ん?なんて?」
ぽそぽそと急に聞き取りずらい声で話すまどかに聞き返す。
「だから、……キャラ弁なんだよぉ!!」
「はぁ?」
「可愛い可愛いキャラ弁なの!夢の国のネズミさんとか作っちゃうの!!」
「いいじゃん。」
「よかねーよ!!キャラ弁だよ?!あたしが!!」
「いいじゃん。別に。」
「ダメ。絶対ダメ。なにがダメって最高に恥ずかしい。弁当開けて中に卵でできた黄色い電気ネズミとかいたらもう羞恥で埋まる。」