お姉ちゃんの憂鬱
「かなちゃん。そろそろ部活行かなきゃ。」
「もうそんな時間か。じゃ、山城さん、その話はまた明日。」
「まどかでいーよ。じゃーなーかーちゃん。」
そのまま笑顔で手を振り帰って行った山城さん。
なんとも自由な人間だ。
あれではさぁちゃんに向かって嫌いとも言えてしまうだろう。
「かなちゃん、山城さんと仲良しなんだ。」
「いや、あたし今のが初絡みくらいなんだけど。」
ちょっとしょんぼりしたミカン頭がこちらをうかがっている。
なんだそんなに紹介してほしかったのか。
「今度ちゃんと紹介してやるから、そんな落ち込まないの。」
「…うん。まぁ、そうだよなぁ…」
なんだ嬉しくないのかせっかく紹介してやるっていってんのに。
「嬉しくないの?」
「…嬉しいに決まってんじゃん!かなちゃんがやってくれることは何だって嬉しいよ!」
それもどうかと思うが、嬉しいならまあいいだろう。