お姉ちゃんの憂鬱

「……吉岡、ライバル登場だな。」

「なんでそこで俺にふるんだよ。」

「メグ君、浮気相手ポジション狙われてますよ。」

「俺って浮気相手だったのか。」






「……いいわぁ。かなを巡る禁断の三角関係。本命のペットくんが知らない間に起きる泥沼の奪い合い…片や趣味のあう仲良しお兄ちゃん、片やみんなに人気の腹黒イケメン教師(メガネ)。二人の間で揺れ動くかなの心。それを知った本命のヤンデレペットくんが暴走して……痛いっ!!」



「暴走してるのはさぁちゃんでしょうが。妄想にあたしを使うのはやめたまえ。」



とっても怖い妄想を口走り暴走していくさぁちゃんにチョップをくれると、ようやく正気に戻ってくれた。


「だってー」と言いながら叩かれた頭をさするさぁちゃんの頭をなでながら「だってじゃありません」というと渋々謝ってくれた。



なんて渋々なんだ。そこは素直に謝るところでしょうが。



「で、正直なところメガネ先生はどう思ってんすか?」

「は?何が?」

「かーちゃんの事、好きなんですか?」

「なにお前ら俺に教師やめろって言ってんの?生徒に手ぇ出すわけねーだろ。」

「じゃあ、生徒じゃなければ手を出していると言うことですね。」





「つまり卒業式の日に迎えに来ると言うわけですねわかります。そして感極まったかなはペットくんに別れを告げて先生と逃避行…『わたし、本当はずっと先生のことが…』『もう遠慮はいらないな。』二人は見つめ合って……っいったーい!!!!」




「…もうさぁちゃんやだ。帰る。」


「あ、香奈子が恥ずかしすぎて拗ねたぞ。本村お前自分でなんとかしろよ。」


「メグ帰ろう。さぁちゃんなんか置いて帰ろう。」


「ま、かなっ、待ってー!一緒に帰るー!!」


「残念だなさやか。お前は一人で楽しく妄想でもしてなさい。」


「やだー!一緒に帰るから!かな、ごめんってー!!!」



バタバタと数学科研究室から出ていくあたしたちの後ろ姿を見てメガネ先生がため息をついていたとかいないとか。





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