お姉ちゃんの憂鬱

2学期の期末テストも終わり冬休みに入った。


課外や部活がある以外は自由に時間を使える冬休み。


しかしそれすらも大晦日と三が日にはお休みとなるため、12月31日の今日、あたしと誠はコタツでのんびり休暇を楽しんでいた。




「誠、課題おわったの?」


「え、終わるわけなくない?かなちゃん終わったの?」


「終わってはいないけど、あと一回勉強会すれば終わると思う。てか冬休みなんて短いんだから、さっさとやった方がいいと思うけど。」



そう、あたしたちは夏休みに引き続き冬休みも勉強会を自主的に行ったりしている。

なぜかと聞かれれば、その方が確実に勉強がはかどるからだ。



そして、直くんの勉強を見てやってくれと担任メガネに頼まれたのもある。

頼まれるとやらなきゃいけないと言う使命感に襲われるのがお姉ちゃんという生き物だ。




「今度いつ勉強会やるの?」


「年明けて4日に集まるって言ってた。ちなみに今日はみんなと初詣に行くから。」


「は?!そんなの聞いてないんだけど!というか俺かなちゃんと初詣行く気満々だった!」


「そりゃそうだ。今言ったもん。え、誠も行くと思ってたけど行かないの?」


「行くけどさ!でも、こう、二人でイチャイチャしながら…」


「あんた本当に煩悩まみれてるよね。折角だから煩悩捨ててきなさいよ。」


「煩悩がなくなったら俺が俺じゃなくなるよ!」


「いっそ清々しいなおい。」






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