お姉ちゃんの憂鬱
そして無事直くんの課題もすべて終わら
せることができた冬休み。
もはやみんな自分の勉強よりも直くんにいかにして勉強させるかで頭を悩ませた。
「みなさんそんな必死にならずともいつかは終りますよ。」
「なんで一番焦らなきゃいけない本人がこの調子なんだ。」
「直江、今日あと5ページ進めないと香奈子が読書禁止令だすぞ。」
「僕の活動の源を絶とうというのですか…メグ君の怒りんぼさん。」
「直江くん、いい加減にしないとカラオケも禁止にするってさ。かなが。」
「村さんまで……!もう誰も僕の味方ではないということですね。」
「というかなんで禁止令だすのあたしなのさ。みんなそれぞれだしなよ。」
「僕はお姉ちゃんのいうことしか聞きません。」
「いやあんたはみんなの言うこと素直に聞いてなさい。」
「わかりました。あと5ページなんて楽勝です。」
…と言った感じだ。
もう直くんの課題が全て終わった日には全員でハイタッチした。ここ数年であれ以上に感動したことはないかもしれない。
「さぁ、カラオケ解禁です。」
課題を終わらせた次の日、フリータイムで歌いつくして喉をつぶしたのもまぁいい思い出さ。