お姉ちゃんの憂鬱
その言葉に焦ってまどかの後を追うあたしとさぁちゃんと直くん。
向かった先は教室と同じ階にある学校の購買の前。
少しだけ開けたそのスペースにいたのは、見知らぬ男子生徒とその男子の腕を掴んでいるメグだ。
「あれま、ケンカですかね?メグ君には珍しいですね。」
「吉岡くんがケンカするなんてよっぽどのことがあったんだねぇ。」
「え、お前ら冷静過ぎね?!止めなきゃヤバいっしょ!あいつ殴っちゃうかもよ」
「誰が止めるのさ。」
「そのためにかーちゃん呼んだんだけど。止めてよアレ。」
「いやー無理くない?」
「ほら、早くしないと先生来て吉岡捕まるぞ。」
「それはマズイね!メグ!やめたまえ!!」
相手の男子を掴んでいた手とは逆の、振りかぶっていたメグ腕を掴もうとして失敗した。
掴もうとしたら動き出すんだもんよ。
…「やめたまえ!」とか意気込んで言ったのに掴めなかったからって恥ずかしいとか思ってないからなぁぁぁ!
もう同じ失敗はするまいと、メグの足に蹴りを入れる。
「コラ、人のセリフ無視してんな!恥ずかしいだろ馬鹿!」
「かーちゃん!説教のポイントがずれてるよ!」
「面を上げいに続くシリーズですね。」
「直くんシリーズ化しないで!」