お姉ちゃんの憂鬱
そんなことをうだうだ言っていると、メグがゆらりとこちらを向いた。
「どうした香奈子?なんか買いに来たのか?」
「どうしたもこうしたもないよ馬鹿メグ。なにしてんのさ。」
「あー、なんかケンカ売られたから買ってみた。」
「こんな公衆の面前で買ったら怒られるでしょうが。そう言うのはこっそりやりなさい。」
言いながらメグに掴まれていた相手を見ると、ケンカを売りそうにない普通な顔立ちの普通の男子。一つ上の先輩のようだ。
「ケンカ売られたの?これもその傷?」
メグの顔にうっすらと赤い痕が残っている。この位なら少し冷やせば大丈夫だろ。
「おう。ケンカ売る割に弱かったからびっくりした。」
「あんたね…」
「おい!ここで騒いでいたのはお前等か!」
あらら大変先生が来てしまった。あれは何かとうるさい体育教師だ。
まぁ、メグはケンカ売られただけみたいだし、殴ってもなさそうだから…
「先生…!!助けてください!急にこいつが殴ってきたんです!!」
ん?
「歩いていた僕の腕を急に掴んで、お腹を殴られました!」
んんん?何言ってんだこの人?