お姉ちゃんの憂鬱

「丹野…今の話は本当か?」

「そ、それは、えっと…」

「…もういい。お前に聞きたいことがある。一緒に体育教官室に来い。」




そう言って今度は剣道部の先輩が連れていかれた。

ま、これで一件落着ですかね?




「メグー災難だったねー」


「おう。助かったわ。サンキューな。」


「どういたしまして。…というか、メグも自分でもっと抵抗しなよね?濡れ衣だよ濡れ衣。」


「そうなんだけどなー、まぁいろいろあったんだよ。」





あたしの頭をなでながら疲れたように笑うメグに首を捻るも、チャイムの音があたしの思考を停止させた。



そして走り出したあたしたち。



その場には結構な人数の生徒が残っていたが、全員がチャイムの音を聞いて全力で走った。


風のように走った。










「ヤバい!テスト始まるじゃんか!!!」







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