お姉ちゃんの憂鬱
「せっかくみなさんと仲よくなったのに違うクラスになってしまうなんてショックです。」
帰り道の直くんの小さな呟きは、みんなの想いを代弁してくれていた。
「でもまあこの5人は進学クラスなんだし、一緒になる可能性もあるじゃん。違っても完全に遊べなくなるわけでもないし。」
「直江くん、1人で大丈夫?読書ばっかりじゃなくて勉強もちゃんとやるんだよ?」
「え、僕が1人なのは決まってるんですか?」
「なんとなくそんな予感するよなー。4人は一緒で直江だけ別みたいな。」
「…そんな不吉なことを言う山村コンビには渾身のシッペを食らわせてやります。」
「相変わらず攻撃が地味だな。」
食らいやがれですと言いながら二人を追い回す直くんを眺めながらまったりする。
「ま、なるようになるでしょ。今から気負ってても意味ないし、とりあえずご飯食べ行かない?」
そう言うと3人とも大人しく戻ってきた。