お姉ちゃんの憂鬱

「…そこまでわかってんのに、なんで気づかないかなぁ。」

「は?なにが?」



何に気付くって?


「俺さ、かなちゃんのこ…」

「ねーちゃん!おかえり!」

「遥香!!なんでここに?」



誠がなにか言いかけたとき、後ろから大好きな弟の声が響いた。


「今コンビニ行ってきたんだけど…危なかった。」

「危なかった?!なんかあったの?」


「いや、こっちの話し。…なー?誠?」

「……遥香、邪魔してんじゃねーよ。」


「邪魔?なんのことかなー?オレわかんなーい。」



急にじゃれあう遥香と誠。
なんだかんだいって仲良しなんだから。



「ねーちゃん、誠なんておいて帰ろ?」


中学三年生になりいつの間にかあたしの身長も越していた遥香。

隣に並ぶとその身長差がよくわかる。


「遥香、身長何センチだっけ?」

「あれ?言ってなかったけ?175センチだよ。」

「そっか、そんなに離されたか。」



昔はお姉ちゃんお姉ちゃんとちょこちょこ後ろをついてきていたのに、いつの間にこんなにおっきくなってしまったんだ。




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