お姉ちゃんの憂鬱
「かなちゃん、俺180センチだよ!」
「そりゃでけーなー」
「おれもそのうち180になるし。誠なんてすぐ追い越してやる。」
「いや、無理無理。遥香はそのくらいがちょうどいいよ。」
「バーカ中学生の成長期なめんじゃねぇぞ。」
2人がまたけんか腰に言い合う間でのんびり歩く。
でかい2人に挟まれたあたしはもしかするととらわれた宇宙人みたいに見えてるかもしれない。
2人の言い合いにたまに巻き込まれながら進んでいくと、あっという間に家に着いた。
「ねーちゃん、先に家入ってて。」
「…ん?なんで?遥香は?」
「ちょっとね、誠と話あるからさ。」
ね?っと小首をかしげる遥香はなんていうかものすごくかわいかった。
「ケンカじゃない?」
「うん、話すだけ。」
「わかった。 誠、また明日。」
「…朝、迎え行くから、ちゃんと準備しててね。」
笑顔で手を振る誠に笑顔を返し、玄関へと入っていった。