お姉ちゃんの憂鬱
◻︎胡散臭メガネの迷案
「あ、三船さん。お、おはよう!」
次の日の朝、大人しく席について朝の課題をこなしていると、後ろからぶりっ子さぁちゃんこと本村さやかちゃんにあいさつをされた。
こんなことは2年になって初めてだ。
昨日の今日だし、ちょっと恐る恐るなのは仕方ないだろう。
「本村さん、おはよう。」
にっこり笑顔であいさつすると、ホッとしたように顔の緊張を解くさぁちゃん。
ちょっとかわいかったとか思ってないからな。
「ああの、三ふ…」「はよ。」
さぁちゃんの笑顔に癒されているとまたもや後ろからあいさつが聞えた。
後ろを向くといつものようにゴツイヘッドフォンを首にぶら下げた転入生が立っていた。
「まどか、おはよ。」
まどかを見るとあたしの席の前にいる本村さんをじっと見ている。
「な、なによ。」
「いーや、別に?」
「用もないのに睨むわけ?」
「睨んでないし。」
「睨んでたじゃん。」
「睨んでない。」
「じゃあなんでこっち見てたの?」
「だから、別にって言ってんじゃん。」
「用もないのに…」
「はい。ストップだよー」