お姉ちゃんの憂鬱
「2人とも、そうすぐ熱くならないの。」
「だって、今のは山城さんが睨んできたのが悪いでしょ?」
「だから睨んでないってば。」
「睨んでるように見えたもん。」
「もともとこういう目なんですー。」
…全く。何度言えば分かるんだろうか。
「ストップ。うるさい。」
目が合えばケンカになるなんてどこの小学生だ。
最近は小学生だってもっと落ち着いてる。
「まどか、本村さんになんか用事があったんじゃないの?」
「…別に、ないって。」
「思ってることがあるならちゃんと言葉で伝えな。いくら綺麗な目でも、見つめるだけじゃなにも伝わらないよ。」
「べ、見てめてなんかないから!てか、きれ、な、何いってんの!」
急に顔を赤く染めたまどかがあたしに向かってがうがう吠える。
これは恥ずかしがってんのかなぁ。
むきになっちゃってかわいいなぁ。
「本村さんも、すぐに熱くならないようにしようね。せっかく可愛いんだから、眉間に皺なんか寄せないの。」
「か、かわ…!」
さぁちゃんの眉間のしわを指でつっつくとぼっと顔を真っ赤にしたさぁちゃん。
「…お前ら、周り見ようなー。」