お姉ちゃんの憂鬱
のんびりとしたやる気のない声が聞えたと思ったら、周りの音が一切しないことに気がついた。
なぜ静まり返っている。
「あ、おはようございます。」
「おう、おはよう。かなこお姉ちゃん。」
まどかとさぁちゃんの後ろに立つ担任にあいさつをすると、周りの音が帰ってきた。
主に笑い声だったが。
「さすがお姉ちゃんだな。」
「ナチュラルすぎて笑える。」
「てか飴と鞭が絶妙すぎる。」
いつの間にこんなに人が来ていたのか、教室の座席のほとんどに人が座っていた。
笑いながら口々に勝手を言ってくれるクラスメイトたち。
「2人とも顔真っ赤だぞー」
そういったあたしの隣の席の岡部君に2人ががうがう吠えたのは言うまでもない。