お姉ちゃんの憂鬱

彼女が編入してきて3日目の水曜日。

彼女の机の周りには、美しい彼女とお近づきになろうとクラスメイトをはじめ、相当な人数が群がっている。


その中で最も彼女に話しかけているのが、ぶりっ子で有名なクラスのかわいい系女子グループ。


あたしからすると、なんでみんなしてそんな似たような髪型してんだ個性がないなあと思ってしまうような、イマドキな女の子たち。



どうやら彼女をお昼ご飯に誘おうとしたようだ。

彼女を味方につければもれなく男子が釣れるとでも思っているんだろうが、その結果がこれだ。



「あたしの昼飯、これ。もう食ってるからお気になさらず。というか、不快なのであたしに話しかけないでくれるとありがたいです」



くわえていたチュッパチャップスを見せて、彼女は颯爽と教室を出ていった。




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