お姉ちゃんの憂鬱
え、マジかよ。
これが最初の感想である。
班ごとに集まり、3日目の自由行動でどこに行くかなどワイワイがやがやしていた周りの班はメガネの言葉を聞いて一気に静まりかえった。
今呼ばれた2人を見ればそれも納得だろう。
吉岡メグミ 名前は女の子みたいだけど、男の子。
その容姿はギラギラ光る金色の髪にギラギラ光るピアスにギラギラ光る指輪。
とりあえずこれだけで彼がギラギラ光る男だということは伝わっただろうか。
比較的「普通」というジャンルの人種が多くを占めるこのクラスの唯一のギラギラ要員と言ってもいいだろう。
メグミという可愛い名前をしておきながらとてもギラギラしているのだ。
ただ、ぱっちりした目に鼻が高くて色白で、意外と可愛い顔している。
今まで気にしたこともなかったけど、金髪に色白で、ハーフですと言っても通じるかもしれない顔立ちだ。
というか実はハーフなんじゃないだろうか。
「は?修学旅行なんていかねーし。めんどくせぇ」
ギラギラした見た目と可愛らしい名前とのギャップで可愛いなぁなんて思うが、やはりギラギラしているだけある。
修学旅行いかないのか、楽しそうなのに。
「まぁ、いかねーかどうかはお前の勝手だが、一応班には入っとけよ。じゃないとオレが怒られる。」
それは教師の言葉としてどうなんだメガネ。