お姉ちゃんの憂鬱

周りを見渡すと憐れんだ目であたしを見つめるクラスメイツ。

そして困惑気味のさぁちゃんと少しムッとしてるまどか。


どーでもよさそうにギラギラしてる吉岡くんに無表情の直江くん。

最後に、輝く笑顔の胡散臭メガネ。


…コノヤロウ。




「…とりあえず、座りましょうか。」


誰も言葉を発しないため仕方なく促すと、みんなまわりの余っている席に腰を下ろした。





………沈黙。





………え、何この空気。

これをあたし一人でまとめろと?

そんな無理難題急に叩きつけられてもおねーちゃん困っちゃうわ。




「……まどか、たすけてくれ。」


あたしはこの空気にやられて息ができない。

もう酸欠で死にそうなんだ。




「いきなりかよ、てかこーゆのはお前の方が得意だろ。」


お前と呼ばれて反応したのはさぁちゃんで、たしかにおしゃべり大好きなさぁちゃんならこの場を盛り上げられるかもしれない。




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