お姉ちゃんの憂鬱
◻︎ギラギラ平隊員と書記
「ちょっと、お前って呼び方やめてよ。」
「お前はお前だろ。」
「わたしにはちゃんと本村さやかっていう名前があるんです。」
「じゃあなんて呼ばれたいんだよ?」
「そ、それは、勝手に決めてくれていいけど…」
「よっしじゃあ最初にあだ名決めでもするか。」
「「はぁ?」」
またもや始まった口げんかを活用させていただきまして、まずはこのじめっとした空気の破壊作業から始めたいと思います。
「じゃあ、最初は本村さんからね。本村さんっていうのも堅苦しいし、もっと砕けた表現がいいよなー。」
あたしの中ではさぁちゃんで決定なんだけど、本人の前で呼んだことは一回もないからなぁ。
「中学校のころとかなんて呼ばれてたん?」
「…“さぁ”とか“さや”とか」
うお、まさかのここでさぁちゃんきたこれ。
「かわいーなー。じゃあさぁちゃんって呼んでもいい?」
というかあたしは最初から呼んでましたすみません。
「…い、いいんじゃない?…知らないっ!」
叫ぶさぁちゃんの顔は赤い。
これは肯定ということでいいんだろうか。
ツンデレか。ツンデレなのか。