お姉ちゃんの憂鬱
彼女の隣の隣があたし、三船香奈子の席なんだけど、一部始終を見ていて思ったことが1つ。
チュッパが昼飯って、どんな食生活おくってんだあの子。
「よく飴だけで生きていけるよなー…」
思わずつぶやいた言葉が教室に響いたところで、あれだけうるさかった教室でだれも一言も発していなかったことに気付いた。
「あれ?」
なんでみんな無言なの?心配にならないのかい?
あの子チュッパがお昼ごはんなんだよ?
「なんなの、あいつ。」
次に聞こえてきたのはぶりっ子さぁちゃんこと(あたしが勝手に呼んでるだけ)本村さやかちゃんの声。
チョコレート色の長い髪をゆるっとふわっとマキマキして、身長はあたしと同じか少し小さいくらいだから150センチ後半くらいか。
少したれ目がちだが、その目はぱっちり二重で非常に可愛らしい顔をしている。
そんな可愛いさぁちゃんの眉間に皺が寄り、確実に怒りを込められてつぶやかれた一言にクラス中が息をとめた。
ような気がした。
ぶりっ子さぁちゃんがぶりっ子し忘れるくらい、みんなの前で嫌いって言われたのが恥ずかしかったみたいだ。