お姉ちゃんの憂鬱

いまださぁちゃんとやり合っていたまどかはこっちの話を全く聞いていなかったようだ。



「じゃあ、僕は山さんって呼びますね。」


何この子のネーミングセンス。

明らかにまどかってばびっくりしちゃってるじゃないの。




「よかったなまどか。これからは山さんと呼ばれればいいと思う。」


「はぁ？なにそれ、どこの町内会長だよ。」


「まどかの山さんに対するイメージが謎すぎる。」


「でもまぁ町内会長にいそうだよな。仕方ないからおれも山さんって呼んでやるよ。」


「頼んでねーよこのヤンキーめ。」


「まどか、メグはヤンキーじゃないよ、ちょっとギラギラしてるだけだよ。」


「吉岡くんがメグって呼ばれてんの初めて聞いた！てかギラギラって…」


「ギラギラしてるじゃないですか。あ、本村さんのことは村さんでいいですか？」


「絶対イヤ！」


「山さん村さんかー。2人あわせて山村さんだな！」


「香奈子、お前人とずれてるって言われねぇ？」


「着眼点鋭いと言ってちょうだい！」


「着眼点が変ではありますけど、鋭くはないですよ。」


「直くんにだけは言われたくないそれ！」


「………お前ら、仲良しだなぁ。」