お姉ちゃんの憂鬱
担任の胡散臭メガネの声の方向に振り向くと、教室がやけに静かになっていることに気付く。
なんか今朝もおんなじようなことがあったような気がする。
「なんていうか、オレはお前がいて本当に良かったと心から思っているよ。」
その言葉にうんうんとうなづく周りのクラスメイト達。
「そしてお前らを引き合わせたオレって、なんて見る目があるんだろう。」
「おい、なんか言ってんぞこの胡散臭メガネ。」
「全くだ。あたし編入して間もないはずなのにこの扱い。」
「僕あまりモノって言われた覚えがあります。」
「先生完全に適当に集めただけじゃン。」
「オレやっぱ修学旅行行くわなんか面白そうだし。」
「ほんと?!メグも一緒行く?」
「メグくん心変わり早すぎませんか?」
「ヤンキーはヤンキーらしく学校行事はさぼっとけよ。」
「んだと?お前は大人しく町内会長してろよ山さんよー。」
「山さんって何回聞いてもおもしれーナ。」
「ナイスネーミングでしょう?村さんもそう思いますよね?」
「村さんはヤメテって言ったじゃん!」
「さぁちゃん、あたしはさぁちゃんって呼ぶよ!」
「僕は村さんって呼びますけどね。」
「一回落ち着こうかお前たち。」
おっとまたやってしまったようだ。