お姉ちゃんの憂鬱
「とりあえずオレのこと胡散臭メガネって言った奴は後でオレのとこに来い。」
「おいおい誰だよ胡散臭メガネなんて言ったの?」
「香奈子だろ。」
「お姉ちゃんですね。」
「かーちゃんだな。」
「お前らもう少しあたしのことフォローしてくれてもいいじゃない。この正直モノめ。」
お姉ちゃん悲しいわ。
誰かこの胡散臭メガネの魔の手からあたしを救い出しておくれよ。
「うーん、先生。お姉ちゃんはたしかに胡散臭メガネと言いましたが、僕は的を射ていると思います。」
…完全に言葉を選び間違えてるよ直くん。
フォローしようとした心意気だけ受け取っておくわ。
「よし、直江もお姉ちゃんと一緒にオレのとこにくること。」
「…先生。僕は先生のことを胡散臭メガネなんて呼んでいません。感想を述べたまでです。怒るならお姉ちゃんを怒ってください。」
「直くん、そんなあっさり見放されると逆に清々しい。」
「…なんていうか、お姉ちゃんがんば☆」
「あんたにだけは言われたくないわこの胡散臭メガネめ。」
すべての元凶が何を言っているんだ。