お姉ちゃんの憂鬱

ずっと廊下でこちらを凝視していたミカン頭にはかなり序盤から気づいてはいたけど、何かしら反応すればすぐにでも寄ってくると思い、眼の端に捉えつつの放置プレイでした。



「お前クラスもう終わったの?」


「終わったよ!てかかなちゃんのクラスが遅いんだと思うよ!」


「だそうですよ先生。」


「言っておくが、すべてはお前の班のせいだからな。」



確かに班の構成考えるのに相当な時間を要したのは否めないが。



「かなちゃん!こいつらだれ?」


「一応先輩なんだからな?こいつらとか言っちゃダメ。」


「…だってかなちゃんと仲いい。」


「なんだそれ。そんなの理由になんねーよ。この可愛いのがさぁちゃんでこっちのギラギラがメグ、大人しそうなのが直くん。修学旅行の班が一緒。みんな、これ幼馴染の誠。」


「お前な、ギラギラって表現マジやめろ。」


「メグギラギラ係なんだから別にいいじゃん。」


「そうですよ、メグくん。ギラギラ係に誇りを持ってください。」


「そんな無茶なこと言うなよ。その係り要は平社員だろ?そこに誇り持てなくない?」


「平社員じゃないですよ。平隊員です。」


「直くん、お姉ちゃんその違いわかんないわ。」


「隊員の方がなんか責任感じるじゃないですか。」


「その感覚もわかんない。」




「かなちゃん!よくわかんないけど、こいつらが俺の敵だってことはわかった!」

なんでそうなった。



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