お姉ちゃんの憂鬱
「お前らのドヤ顔、異様にイラッとするな」
「教師が言っていい言葉じゃないと思う」
爽やかに笑って誤魔化そうったってそうはいかないぞ。
「じゃ、お前らはクラスの新幹線とかバスの座席と部屋割りでも決めておいて」
「それって生徒がやっていいもんなんですか?」
「や、本当はオレがやるんだが、お前ら暇にさすと遊ぶだろ?だから仕事を与えてやろう。はいこれ班の名簿」
「完全に仕事押し付けられましたよね?」
「そんなことないない。班で固めてくれればそれでオッケーだから。任せたぞ、お姉ちゃん」
このテキトー胡散臭メガネは自分の仕事もろくにやらんのか。
けしからん奴だ。
「ということで、お仕事を押し付けられました」
班に戻ると、直くんが他の三人に向かって粒あんのおいしさについて熱弁していたが、そこはまるっとスルーさせていただく。
ちなみにあたしはこしあん派である。