お姉ちゃんの憂鬱
「村さんと二人部屋、バスも新幹線もずっと隣の席にするって言われた」
「村さんって呼ぶなって言ってるじゃん!」
「さぁちゃんってなんかしっくりこないんだもん」
「なら他の呼び方にしてよ!」
「さや村さん」
「村から離れろよ!」
「もうそこは二人で何とかしたまえ。で、何?まどかはさぁちゃんと一緒嫌なの?」
「別に嫌ってわけじゃないけど、そうしたらかーちゃん他の班と一緒になっちゃうじゃん。それはつまらん」
「なんて可愛いこと言ってくれるんだまどかよ。ちゅうしちゃうぞ」
「いやそれはいらない」
「あたしもする気はない」
「僕よりも山さんの方がお姉ちゃんといちゃついてるじゃないですか。ペットくんにチクっちゃいますよ」
「ふふん 羨ましいか直江よ。ペットに言われてもあたしは別に困らないもんねー」
「くそぅそっちがそのつもりならこっちだって手を打ちますよ」
この子たち可愛いけどちょっと意味わかんないよ。
いつのまに誠にチクる制度ができたんだいらん制度だな。
「直くん何するつもりよ?」
「メグくん、座席表を貸してください。毎回僕とメグくんとお姉ちゃんの三人席にしましょう。二人の時は交替でお姉ちゃんの隣です。あ、じゃんけんでもいいですよ。受けて立ちましょう。そして、山さんと村さんは常に隣同士にしてやります。メグくんもそれでいいですよね?」
「あーうるさくなければ何でもいいぞ」
「じゃあそれで決定です」
「え、ちょっと待ちたまえ直江よ。てかそれもうボールペンで書いてんじゃん。なにその強行突破」
もうこいつら自由すぎてあたしの手に負えないんですけど。