お姉ちゃんの憂鬱
「お前らなー、ぐちぐちオレのとこに文句言いに来るけどな、自分たちの好きなように決められんだぞ?オレに勝手に決められてもどうせ文句言いにくるんだから、自分たちの納得するように決めればいいだろ?ちょっと書くくらいなんてことねぇんだから、ぐだぐだ言ってないでさっさと決めちまえよ……って、聞いてないか」
「聞いてないですね」
先ほどの直くんの強行突破によって、まどかとさぁちゃんと直くんによる、座席表の奪い合いが始まってしまった。
別にあたしは楽しければ誰の隣でも構わないんだけどなぁ…
「香奈子、そろそろ止めに入らないと収集つかねぇぞ」
「メグが一番落ち着いてるってのがギャップだね」
「なんでもいいから早く止めろよ」
「どうしたら止まるかね」
「んー、あ、お前ら、大人しくしないとオレと香奈子固定でずっと隣の席にするぞ。それでもいいならそのまま騒いでろ」
「あら、メグったらそんなにあたしの隣がイイの?」
3人に向けてメグが放った言葉は思った以上に嬉しい言葉だったけど、3人にとってはそうでもなかったらしい。
「アホか。却下」
「吉岡くんといえどそれはダメだよ!」
「メグくんのおたんこなす」
3人の総攻撃にあっていた。
「直江はオレにケンカ売ってんのか?」
「勝負の方法が百ます計算とかでいいなら売ってあげますよ。どうぞ買ってください」
「百ます計算でケンカの勝敗決めるとか聞いたことないんだけど。どこの小学生だそれ」
相変わらずの直くん無双にもはや脱力ですよあたしは。