お姉ちゃんの憂鬱
「おはよう。早いね」
翌日。
待ち合わせた場所に向かうとそこには既にメグがいた。
ちなみに現時点で待ち合わせ時間の15分前である。
「はよ。……ペットもついてきたのか」
「ペットっつうなヤンキー。なんでヤンキーのくせに時間守ってんだよ」
「誠、うるさい。メグに失礼。そんなこと言うなら帰りなさい」
「かなちゃん?!ごめん!気を付けるから置いてかないで!」
まどかが誠のことをペットペットと呼び過ぎて、うちの班の中で誠の呼び方は『ペット』で定着してしまった。
あたしのペットなわけではないのだか、みんなも直す気がないようなので、あたしから訂正する気もなくなった。
「メグ、一緒に行きたいって言うから連れてきちゃったんだけどさ、よかった?」
「オレは別に気にしねぇよ。あいつらも大丈夫だろ」
「そうだといいけど」
とりあえずメグのお許しは出たので後のメンバーは問題ないだろう。
誠もさぁちゃんとまどかには文句言ったりしないし、直くんは誠に何を言われてもあのテンションで謎な返しを繰り出すからダメージはなしだ。
「誠、大人しくしててよね?」
「大丈夫!こいつがなんかしなければ俺も何もしないから!」
いや普段メグが何もしなくてもお前いろいろ突っかかってくじゃん。