お姉ちゃんの憂鬱
「じゃ、みんなそろったし行きますか」
あの後、ばっちり決めたさぁちゃん、なんか眠そうな直くん、ヘッドフォン装着したまどかの順に到着したメンバー。
直くんとまどかは遅刻だったが、やっぱりというかなんというか…
メグと「あの二人は絶対遅刻すんぞ」って予想していたのがまんまと当たってしまった。
修学旅行中は気を付けさせないとな。
まどかはあたしとさぁちゃんで、直くんにはメグがついているから大丈夫だろう。
みんな誠がいるのを見ても「あれ?一緒にいくの?うんいいよー」みたいな軽い感じだったので安心だ。
「何買いに行きましょうか?」
「修学旅行に必要なモノでしょ?」
「直くんは何を買うつもりで言ったの?」
言いだしっぺの直くんに話しをふると、きょとんとした顔でこちらを見る直くん。
「お揃いのキーホルダーですよ?あ、でもそれは向こうで買うことになったんでしたね」
「…他には?」
「特にないです」
昨日言ったよね?みたいな顔されてもさ…それだけだと思わないじゃん!
なんか必要なものがあるのかと思って集まったのに!
「じ、じゃあ、何か必要なモノ買わなきゃって人いる?」
さぁちゃんがみんなに話を振るも、みんな首をひねったり関係ない方向に視線を向けたり、果ては堂々と開き直り「特にないですってば」という始末。
最後のは言わずもがな直くんである。
そしてさぁちゃんに思いっきりため息をつかれたのも直くんである。