お姉ちゃんの憂鬱
結局何を買う必要もないと言うことが判明し、とりあえずどこか店に入ろうと言うことになった。
少し早いがみんなで昼ごはんだ。
「何しに来たんだオレたち…」
「メグ、それを考えたら負けだと思う」
「いいじゃんいいじゃん。折角だし遊んで帰ろうよ」
「山さん、僕カラオケに行きたいです」
「まさか直江が一番最初に提案してくるとは思わなかった」
「いーね!カラオケ!変なメンバーで楽しそう!」
途端に盛り上がるこの3人は毎回息ぴったりだったりする。
好みというか、考え方が似ているのだ。
非常に不思議なんだけれども。
「あ、誠はどうする?なんか買いたい物あったからついてきたんだよね?」
「そうだったんですか。じゃあペットくんとはここでお別れですね。僕たちはカラオケに行きますから」
「直くんのカラオケに対する熱がすごいな」
「それなら香奈子はどうすんだ?オレらとくる?ペットとお散歩?」
メグの言葉にミカン頭を見ると、じっとこちらを見つめていた。
その目は「置いていかないよね?」と不安げで、ありもしない犬耳がしょぼーんと垂れているのが見えるくらいションボリしている。
確かにあたしが連れてきたんだから最後まで面倒見なきゃいけないよな。
「…あたしは、誠の買い物に付き合うよ。みんなはカラオケで楽しんできて」
そういうと、今度は誠は嬉しそうに尻尾を振り、それ以外のみんながショボーンとしてしまった。