お姉ちゃんの憂鬱


「かーちゃん来ないの?」


「かなが来ないとただのカオスになっちゃう…」


「お姉ちゃんが来ないとなると、僕のワンマンステージってことですね」


「なんでそうなるんだよ。まぁカオスになるのは間違いねぇわな。よし香奈子も行こう」



一人だけちょっと違うこと言っていたが、みんな一様に可愛いことを言ってくれる。

そんなにあたしに来てほしいのか。
嬉しいじゃないかこのやろう。


ちなみにさぁちゃんはあたしのことをお姉ちゃんではなく「かな」と呼ぶようになった。

こっそりにやけているのは秘密だ。



「でもねぇ…誠連れてきたのあたしだし」


「じゃあペットの買い物が終わったら二人とも来ればいいんじゃない?そんなに長くかかんないでしょ?」


「ペットくんは何を買いに行くつもりだったんですか?」


「あー、えっと…いろいろです。いろいろ」


「あれ?iPhoneのケースじゃないの?割れたから買いに行かなきゃて言ってたよね?あたし勝手にそれだと思ってた」


「あ、うん!それ!」


「それならオレたちがちょっと待ってればいいだけじゃん。パッと行ってパッと買ってこいよな」


それを聞いてちょっとムッとした誠だが、「わかりましたよ」と小さく返事をした。



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