お姉ちゃんの憂鬱
そこで登場したのが三船家父、義治である。
「お父さんはもう少し興味持ってよ!姉ちゃんが誠に取られちゃうんだよ!」
「大丈夫だぞ。姉ちゃんはどこに嫁にいこうとお父さんの娘だし、遥香の姉ちゃんだからな。そしてお父さんはお腹が空いた」
まさえのご飯が何よりも好きな義治である。
胃袋をがっつり掴まれている。
「そうよう。ハルだってどこぞの知らないお兄ちゃんよりよく知ってる誠くんの方がうれしいでしょう?」
「早くご飯にしよう」
「遥香、文句はあとでちゃんと聞いてあげるからご飯にしよう?誠もどうせ食べてくんでしょ?」
「……うちの家族はなんでこんなに誠に寛大なんだ!」
それはうちの家族同然で育ったからだよ。
そろそろ本当にご飯にしないと義治が荒れるから、大人しくご飯にしましょう。